こんにちは、「アプリゲームUIデザイン」のちょこきなこです。
ほとんどのUIデザイナーは居酒屋でユニバーサルデザインの話をしていると思うので、その話のネタ程度に。
以前、色覚多様性の方を意識したデザインに関する記事を作成しましたが、
今回は聴覚障害を持つ方を意識したデザインを考えてみます。
人間が情報を得る際には視覚が主になってくるので、割と忘れられるんですよね。聴覚。
ユニバーサルデザインの本を読んでても、じゃあゲーム内にどう活かしていけば良いのか?って話です。
そこで、見落とされがちなアプローチの一例を紹介します。
ゲーム中の会話シーンにて、以下のような場面がありました。
「ゴオオオオン! ゴオオオオン!」
(実際のゲームではSEやエフェクトと共に文字が表示されています)
文字だけで推測すると
爆発音?鐘の音?大きなモーターの駆動音?何かの鳴き声?
…と、文字から色々と想像することができます。
つまり、
音が聞こえないユーザーも想定して、文字でフォローするデザインになっています。
これもユニバーサルデザインだと思います。
もう気付かれたかと思いますが
今、この文章を読んでいる体験が、聴覚に障害を持つ方の疑似体験になっているかと思います。
先ほどの文字が無かったら次の主人公のセリフもよく分からないものになっていたと思います。
ちなみにプレイヤーは「天から星が落ちるような轟音」だと感じているようです。
まじめに考えるとよくわかりませんが、とにかく凄い音みたいですね。
改めて考えてみると、ゲームをプレイしていると色々な音が鳴っています。
敵を刀で斬る音、拳でドアを激しく叩く音、静かな秋の夜に鳴く虫の音、燃え盛る炎の音などなど。
ただ、それがきちんとユーザーに届いているか考えたことってあまりないんじゃないかなと思います。
テストやチェックでも、音が正常に鳴っているかどうかはチェックしているけど、音が鳴っていない時にどうフォローしているか、それを常に意識しているゲームは稀なんじゃないかと思います。
ちなみに先ほどの音の正体はこちらです。
「神々が乗っている舟が降りてくる音」でした。
この場合、実際にゲーム中でどんな音が鳴っているかは問題ではないですし、
個人個人が思い描く音が正解で良いと思います。
逆に正解が確定されることで想像力の幅も狭まるという考え方もできます。
また、聞こえない理由が先天性であれ後天性であれ、とにかく聞こえない、聞こえづらいことには変わりありません。
なので、経験に基づく推測ができるケースとできないケースがあります。
ですが、想像を働かせることはできます。
それは必ずしも経験に基づくものが必要とは限りません。
例えばラピュタに出てくるロボット兵の足音は経験から想像できるようなものではありません。
宇宙空間でビームが撃たれる音なんて、誰も聞いたことがありません。
ユニバーサルデザインを考える際、デザイナーが最初にできることは知ることです。
参考までにひとつ記事貼っておきますね。