こんにちは、「アプリゲームUIデザイン」のちょこきなこです。
画面右上に「メール画面」へのボタンがあるのですが、ただ遷移するだけではなく、小気味の良い演出が実装されています。
ここに「メール画面」へのボタンがあります!
遷移する時の演出はこんな感じです。
▼gif (開封演出)
再生環境によってはゆっくりに見えるかもですが、実際はかなり一瞬です。
右上にタップエフェクトが映っていますが、それと同じくらいの尺です。
凝ってるなぁ…、と思いつつ、同時に
なぜここに凝った演出が実装されているのかな、って気になったので考えてみました。
結論からいうと「世界観への没入感」のこだわりだと思います。
そのために、ユーザーに意識させたくないことは意識させない。やらせたくないことはやらせない。
という思想が感じられます。
おそらく、七つの大罪の世界にメールはありません。(少なくとも原作で登場はしていない)
メールに代わるものは手紙です。
かといって「手紙」とすると、開発者のやりたいことととユーザーの持っているメンタルモデルと異なります。
メール画面の機能としては以下のようなものです。
・お知らせ…運営からのお知らせ。プレゼントが付いている
・メール…PvPのランキング報酬が届きました
・パック…購入したものがここに送られるようです
・友情…フレンドから送られるコイン
・招待…殲滅戦(2人で戦うボスバトル)やPvPなどの通知が届きます
と、こんな感じです。
手紙、の持っているイメージとちょっと違いますよね。
報酬とかお知らせはまだしも、殲滅戦の通知は現実世界で起こりえないので、モデルとしてイメージできません。
ですが「メール」と表記してしまうと、世界観に没入できなくなります。
なので開発者はどうしたかと言うと、「メール」という文字を見える部分から省きました。
アイコンだけのデザインです。
他のボタンと比較すると分かりやすいですが、ボタンだけだと機能が分かりづらくなるので、基本的には文字も表示することが多いです。
(画面下部にあるボタンには文字が付いてる)
結果だけ見ると、単純に文字を省いただけに見えるかもですが、これには文字を省いても大丈夫という判断がなされています。
以下のような思考があったのかな、と推測します。
・メールという文字を省きたい
・メールという文字を省いても、手紙アイコンであればユーザーは機能を理解してくれる
・なぜなら一般的にメールのアイコンも封書のアイコンを模している
・ゆえに文字を省いてもユーザーはメールという機能を理解してくれる確率が高い
とか。
これによりユーザーはメールを読む、という部分を忘れ、届いた中身を確認する、という部分にだけ集中できます。
これで表面から「メール」という文字は消えました。
次にそのまま暗転遷移したら受け取っている感じがしない、ということで
どうやったら手紙を受け取って読む、という気持ちにさせることが出来るのか、考えたのだと思います。
それで、開封演出を考えたのだと思われます。
そして、この演出を思いついたとしても、実装できたのが更にすごいと感じています。
こうして文字にしてしまうと、凄く特殊な思想は無いように思えますが、
メールはメインの機能ではないので、この演出を実装しようと思っても、他の場面で演出がなかったり、地味だったりすると悪目立ちします。
それがストレスに感じることもありますが、
そう言ったことが全くないのがこのタイトルの凄いところだと思います。
演出は丁寧に作られつつも、それを押し付けず、悪目立ちすることもないバランスで実装されているのに凄みを感じます。
まとめ
ゲームの世界観に合わない機能を実装することもあるけど、UXとUIをデザインすることによりユーザーの没入感を阻害することなく遊んでもらうことが可能。