こんにちは!ちょこです!
このブログでしばしば用語の統一に関する話題を書いてきたのですが、「Q&Qアンサーズ」のゲーム内に面白い資料があったので紹介します。
【クイズ作成ガイドライン(詳細版)】です!
ゲームUIデザイナーの作業範囲のひとつに校正作業(のようなもの)があります。
といっても日常的に関わる機会は稀ですが、関係ないとも言えない分野です。
そういった作業の資料になるのかな、と思います。
早速覗いてみます!
1枚目
他のクイズと文章の表現をそろえることで、問題文の意味が読み取りやすくなります。
早速、超大事なこと書いてくれています!
そうなんです、表現をそろえることで内容を理解する学習コストが下げられるんです…!クイズに限らずテキスト全般に言えることなので、超!重!要!
この時点でもうドキドキしてきますね!次です!
2枚目
「以下のうち」「下記の選択肢のうち」など → 「次のうち」に統一してください。
良いですね!
文字数を節約するために「次のうち」を選んだのだと思います。
「次のうち」以外にも「次の内」と表現できますが、ひらがなにした方が都合が良いことが多いので、ひらがなにしたのかな、と推測します。
例えば「次のうち内閣総理大臣…」と「次の内内閣総理大臣…」を比較すると分かりやすいかと…。
こういうガイドラインを定めていくとUIに還元される部分があることが徐々に分かってきますかね…。
では、次です!!
3枚目
おー、ちょっと難しいのが出てきました。
以下に挙げる形式名詞などは原則的にひらがなを使用してください。漢字にするべきかひらがなにすべきか、判断に迷う場合はひらがなにしてください。
もの(物)、こと(事)、ところ(所)、ため(為)、はず(筈)、とおり(通り)、あいだ(間)など
こういうの「形容名詞」って言うんですね。勉強になります。
送り仮名の付け方は、本則と呼ばれる一般的な表記に従いますが、以下に挙げる2つは本則ではない表記を用いています。「行なう(おこなう)」「表わす(あらわす)」 (「行う」「表す」は使っていません)
「本則」って初めて聞きました。
そして「表わす」「行なう」は本則じゃないけど、表記的にはそっちに統一なのか…。
これは恐らく、「行なって」と「行って」はどちらも「おこなって」と読むのですが、「行って」は「おこなって」なのか「いって」なのか一瞬判断つかなくなります。
そういった誤読を避けるための対応なのかなと思いました。
慣例や好みもありますが、一応国の指針が元になっているようです。
以下、検索上位のリンクですが、興味があったら調べてみると良いかと思います。
教科書の言葉 Q&A 第19回 | みつむら web magazine | 光村図書出版
内閣告示をちょこっと改正 ― 常用漢字改定と送り仮名2 - ことばマガジン:朝日新聞デジタル
ゲームUIデザイナーの主たる業務ではないのですが、文字を扱うことが多いので、必然的に字体の違いやフォント周りにも詳しくなりがちです。
そうそう変わるものでもないので、ついでに関心を持つ程度で良いのかなと思います。
さて、若干国語的でしたが次です!
4枚目
著作物などの固有名詞は、正確に表記するようにしてください。例)北条司による漫画は「シティーハンター」が正しく、「シティハンター」は間違い。
例)「ips細胞」「WIKIPEDIA」「xbox」は間違い。正しくは「iPS細胞」「Wikipedia」「Xbox」になる。
そうですね。例に出されているものは商標登録されているものだと思うので、正確に表示しなければなりませんね。
超意地悪なことを言えば「吉野家」は「𠮷野家」が正しい表記なのですが、「𠮷」は環境依存文字です。
この後に出てくるルールに「機種依存文字は使用しないでください」とあります。こういった場合はどうなるのかがちょっと分からないんですよね…。
髙とか﨑とか…
▲「クローズxWORST~打威鳴舞斗~」。原作者が旧字体の為、代用文字を使用していることをお知らせしている例
5枚目
外国人の名前をカタカナで表記する場合、ファーストネームとファミリーネームなどの間に「・」を入れます。原語の表記で「- (ハイフン)」が使用されている部分のみ、「=」を入れてください。例)×ハリソン フォード → ◯ハリソン・フォード (Harrison Ford)
例)◯クロード・レヴィ=ストロース (Claude Lévi-Strauss)
外国人の名前かー!
盲点でした。というのもゲームアプリを開発してて、外国人の名前を多用することがなかったです。
せいぜいスタッフロールのクレジットとかだし、それも現地語で表示することもあるし。あんまり気にしたことなかったな…。
6枚目
『』は著作物(テレビ番組なども含む)の名称を括るのに使用してください。「」はセリフや引用、単なる強調として使用してください。ただし、解答選択肢の文言は、「」や『』で括らないでください。
表記だけではなく、括弧の使い方のルールも定義されていました!
この辺は日本語としてのルールというよりも、ハウスルールに近いのかな…。
いずれにしても、頻出する記号のルールを明記するのは必要なんですね。
7枚目
後半は細かいルールが並びますねー…中でもこれはクイズならではですね。
記号のマルを用いるときは、〇[漢数字]や○[記号]ではなく、◯を使用してください
これは見落とします…。見た目だけだとほぼ区別付かなくないか…。おそらく開発中でも割とクイズの数が揃ってから気付いたんじゃなかろうか…。
ここまで細かいところも規定されているんですね。実際は機械でチェックして置き換えないと対応としては難しいだろうな…。
おわりに
こういった資料は基本的にはハウスルールだったりするので目にする機会は少ないと思います。用語や表現の統一をお願いされたときの参考資料として。
どうしてこういった資料が必要なのかは最初に書かれていた通りです。
他のクイズと文章の表現をそろえることで、問題文の意味が読み取りやすくなります。
これでユーザーの学習コストを下げて、余計なストレスは除外したいです。
UIデザイナーがこういった資料を作成することはともかく、管理、運用することは稀です。ただ、ユーザビリティに通じるところがあるので、必要に応じてUIデザイナーがディレクションしても良いかなと思います。