こんにちは、ちょこです!
今回、私が購入した書籍の中からゲームUIデザイナーさん向けに紹介する書籍はこちらです!
「タイポグラフィの基本ルール」
発行は2010年です。2023年現在だと内容的にやや古いかもしれません。
また、この書籍に限りませんが、電子書籍において、原寸大として掲載されているフォントのサンプルは役立たないため、電子書籍を購入する際にはメリット、デメリットを自分なりに把握した上で選ぶことをおすすめします。
それでは各章の概要と感想を簡単にご紹介します。
第1章 タイポグラフィの素材を知る
日本語の文章に使われる、ひらがな、カタカナ、漢字、英数字などの文字の種類の紹介。それぞれの文字にはどのような特徴があるか、規格や用語など、基礎的なことが概要レベルで紹介されています。
ボリュームは20ページです。
個人的には「もっと詳細が知りたい!」と思させる内容でした。
第2章 基本的なテクニック
グラフィックデザインにおいて文字を扱う上での基本的な内容が書かれているように感じました。ボリュームは36ページです。
この書籍の中では最もページが割かれており、情報量が多い章でした。
簡単に概要が分かるようにキーワードをいくつか紹介します。
- 文字を揃える
- カーニング
- 混植
- 文字の変形
- 文字組
- 約物の取り扱い
- ルビ
これらのキーワードだけでもそれぞれの専門書もあるくらい重要な要素です。
ここではあくまで入門書として読むのが良いかと感じました。
第3章 レイアウト スタンダード
この章ではレイアウトに触れていますが、情報量はあまり多くないように感じました。
というのも全22ページ中18ページが縦型のポスターを想定したレイアウトのサンプルでした。
このサンプルは写真や色と言った情報は無く、幾何学が記号的に使われているタイプのサンプルです。したがって、レイアウトを目的とするならば他の書籍を当たるのが良いかもしれません。
第4章 書体の選び方と演出スタイル
この章では、書体を選ぶときの指針となる評価軸が紹介されていました。ボリュームは22ページです。
具体的には、以下の10の場面において、それぞれどのような基準で書体を選ぶと良いかが簡単に紹介されています。
- 男性的な演出
- 女性的な演出
- 子供っぽさの演出
- 歴史・古典的
- 現代・都会的
- ナチュラル・リラックス
- 品格・こだわり
- 視認性・識別性
- 楽しさを感じさせる
- 時代を思わせる
漫然と読むよりも、今自分がデザインしたいものが具体的にイメージされていると、よりスムーズに頭に入りやすいように感じました。
フォントの選び方についても事例に特化した書籍は他にあるため、詳しく知りたい方はそちらも読んでみると良いかもしれない。
第5章 文字を作る
5章のボリュームは27ページ。
構成としては以下の構成でした。
- 日本語(ひらがな、カタカナ、漢字)と英数字がどのような形で構成されているか、基礎的な要素の説明
- ロゴデザインをするにあたり、文字の一部を大きくする、イラストを取り入れるなど13のアイディアの紹介
章のタイトルが「文字を作る」と書かれているため、最初は作字やフォント作成かと思ったのですが、文字について基本的な知識の紹介がされていました。
…というかめちゃくちゃ重要な要素な気がします。
なぜこんな最後の章に…。
一口にロゴと言っても企業ロゴや商品ロゴ、アニメ漫画のロゴなど様々な用途があります。各分野のロゴデザインを専門に扱う書籍もあるため、ここでは俯瞰的、入門書的に見ると良いかもしれません。
まとめ
フォントはデザインの中でも歴史が長い分、専門性を問うと限りが無い分野です。
知識面、技術面においてかなり基礎的なことが書かれています。
「こんなデザインをしたい!」というような明確な目的を持つと、書かれている内容が簡単に見えるかもしれません。
逆に、簡単な内容に見えるからこそ「専門外だから漠然と知りたい」という程度なら丁度良いかも。
難しくない分、何度でも読み返せると思います。
何度か読み返していく内に、最初は見落としていた情報が拾えるようになっています。
例えば、各ページの欄外に小さく書かれている情報の中に「わかち書き」があります。恐らく、ある程度デザイン業務をしていないと見落とすような情報かと思います。
基本的には初心者向けな内容になっていますが、興味をもった人は更に自分で調べるき工夫も盛り込まれています。
以上です。
他の書籍も以下にまとめています。良かったらこちらもご覧ください。