こんにちは、ちょこです!
今回、私が購入した書籍の中からゲームUIデザイナーさん向けに紹介する書籍はこちらです!
「カリグラフィー・ブック 増補改訂版:デザイン・アート・クラフトに生かす手書き文字」
感想としてはざっくり以下です。
それではそれぞれの詳細を記載します。
読み物として読むのが良いかも
購入したのは数年前ですが、当時文字のアウトラインを加工する際に、書体の構造や成り立ちを知らないとデザインがうまくまとめにくいと感じることがあり、購入しました。カリグラフィーの教本として書かれているため、組版などの活版、DTP周りの記載はありません。
そのため、ゲームUIデザイナーとしては、技術的なハイツー本よりも読み物として読むのが丁度良いのかもしれません。
歴史を知ってデザインに活かす
個人的に面白く感じたのは各書体の成り立ち、使われ方といった歴史の部分でした。
例えば、南ヨーロッパの祈祷書などに多く使われたのはロトゥンダ(Rotunda)という書体ということ。また、12~15世紀に主に北ヨーロッパで使用されていたテクストゥラ(Textura)やクォドラータ(Quadrata)といった書体は文字幅が狭く、羊皮紙の節約につながった、などの話は興味深く読めました。
ファンタジー系のゲームを作ると書物や地図などで文字が書かれた小物をデザインすることがあり、その際のデザインの参考になると感じました。
代表的な書体の特徴が細かく説明されている
代表的な書体の特徴が細かく説明されているのも勉強になりました。
具体的には以下の9種類に分類分けされ、解説されています。
- ファウンデーショナル体(Foundational Hand)
- ローマンキャピタル(Roman Capitals)
- イタリック体小文字(Italic)
- イタリック体大文字(Italic Captals)
- フローリッシュ(Flourish)
- カッパープレート体(Copperplate)
- ゴシック体(Gothic)
- ビルトアップ(Built-up Letters)
- 平筆ローマンキャピタル(Brush Roman Capitals)
書体の形は見覚えがあっても、細かい角度の決まり事、線の長さやバランスなど文字ごとにルールが存在していたのですね。
また、カリグラフィーにおける各アルファベットの書き順も興味深いです。
見た感じ、学校で習った書き順と違う点が多いかと思います。
書き順を理解することで、アルファベットに装飾的を施す時、アニメーションで文字を動かす時など、デザインのバックボーンになるかもしれません。
参考文献
参考文献も豊富に紹介されていました。
欧文の書籍も19冊ほど掲載されていましたが、ここでは自分用のメモとして日本語の参考文献を記載しておきます。
- 西洋書体の歴史: 古典時代からルネサンスへ
- 本と人の歴史辞典
- 初期のアルファベットの歴史 (りぶらりあ選書)
- カリグラフィー辞典
- 欧文組版 組版の基礎とマナー (タイポグラフィの基本BOOK)
- 欧文書体―その背景と使い方 (新デザインガイド)
- 欧文書体 2 定番書体と演出法 (タイポグラフィの基本BOOK)
- 中世ヨーロッパの書物―修道院出版の九〇〇年
- ヴィネット〈01号〉トラヤヌス帝の碑文がかたる
- 美しき時祷書の世界―ヨーロッパ中世の四季
- 手で作る本
- 英詩を愉しむ―光と風と夢 (平凡社ライブラリー)
- 人間と文字
- 父は空 母は大地 対訳版
以上です。
他の書籍も以下にまとめています。良かったらこちらもご覧ください。