ゲームアプリのUIデザイン

プレイしたゲームアプリのUIデザインに関して書き残します。毎日頑張って更新!

「ペンギンの島」非言語による鮮やかな商品訴求。デザインのレベルが高すぎる。

こんにちは、ちょこです。

 

「ペンギンの島」の訴求に関して運営側の取り組みについて考えてみました。

商品を売るための訴求もUIの範囲かな、と思っているので。

 

1つ目は通知マークです。

こちらは動画を見ないと消えません。

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▲動画を見ると消える。

 

この通知マークの配置が実に絶妙で、受け取れるミッションがある時の通知マークと同列になっているんですよね。

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▲プレゼントなどと近い位置に配置されている

 

プレゼントに付いている通知マークとショップに付いている通知マークは厳密には同じカテゴリの情報ではありませんが、近接の法則により脳が同じ情報だと錯覚します。多分。

 

つまり「この赤い丸は良いことが起きることを通知してくれているマークだ」と認識されます。

故に「広告のマークだと理解していても、一瞬インセンティブを貰えるボタン」という誤解をします。

その一瞬の誤解によってついボタンを押したくなります。

 

また、他の動画広告を押させるためのデザインも完璧です。

世界観に合わせて漂流物というデザインを採用しています。

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また、ただの漂流物ではなく、木箱、宝箱、ギフトボックス、といった「中に何か価値のあるものが入ってそうなデザイン」になっています。

 

これによりユーザーはポジティブな感情を持って広告を再生することになります。

 

ややもすると、このゲームは広告動画を観るアプリになるところですが、こういったデザインによってタスク処理に近い感情でゲームをプレイすることができます。

 

訴求の手法はたくさんあります、

「50%オフ!」といったお得感を訴求する方法ではなく、非言語で押したいと思わせる仕組みをデザインしているのが興味深いと感じました。

 

知識として知っていても、ここまで鮮やかに実装されている例は珍しいのではないかな、と思います。

色々な訴求の仕方を知り、選択肢を多く持っておくことにより、最適な選択を最短で行える可能性があるので、訴求に関するデザインも学んでいきたいな、と思いました。

「ペンギンの島」起動時に表示されるペンギンが可愛い。ほぼ無意識にゲームに好感を持たせている素晴らしいデザイン

こんにちは、ちょこです。

 

ロード画面、かわいいねー。

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▲歩いてるだけでモテる

 

という記事を書こうと思いましたが、もう少し考えてみます。流石に。

 

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このロード画面はアプリ起動時の読み込み画面でしか表示されません。

 

また「ペンギンの島」に興味がある人がこの演出を見た際「かわいい!」という感情を抱く可能性が高いと考えられます。

 

つまり、ゲームを始める前にポジティブな気持ちにさせることが出来ます。

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▲余白の使い方もかわいさを演出しています

 

仮にこれが「now loading」という文字だけだったとしたら、こういった感情も生まれず、ゲームに対する見方も変わっていたのかな、と思います。

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▲例えばこんな感じのデザイン。要件は満たしているけど没入感は皆無に近い

 

一般的なUIの記事ですと、ロード画面は進捗状況が分かるのが望ましいとあったりするだけで、こういった没入感に対するフォローはありません。

 

ゲームのUIですので、そういった情報を伝える側面とユーザーを楽しませる側面を同時に意識する必要があります。

どちらもバランスよく見るようにしないと、面白くない画面ができるので、注意が必要だなと改めて感じました。

 

「ペンギンの島」のロード画面は情報を伝えるだけではなく、ユーザーの感情を動かす良いデザインだなと思ったので紹介させていただきました。

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▲こんな感じでタイトルが表示されます

「ペンギンの島」カメラに付いた水滴は蛇足じゃない。必然性のあるデザインでした。

こんにちは、ちょこです。

 

「ペンギンの島」にて撮影モードが実装されているのですが、水中にも潜れるんですよね。

で、水中に潜って地上に戻った時、カメラのレンズに水滴が付いてくるのが芸が細かい!

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▲撮影モード。防水対応らしい

 

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▲水滴が付くだけでなく上から下に流れます

 

水滴を通して向こうの景色が歪んで見えるのが分かるかなと思います。

実装方法は分からないけど、水滴にバリエーションが無いっぽいので、リアルタイムの生成ではなく、モノクロの画像でも乗っけてるのかな…。

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この水滴はペンギンを撮影する目的だけだと確実に不要な仕様ではあります。

 

水滴が付くことによって、ユーザーはカメラ越しにペンギンを観察している立場であることが分かるかと思います。

では、なぜカメラ越しなのかな、と考えた時にペンギン好きなら「南極条約」が頭に浮かぶかな、と思います。

 

いわく、鳥やペンギンには5m、アザラシには15m程度の距離を取るように書かれています。

https://www.env.go.jp/nature/nankyoku/kankyohogo/kankyou_hogo/pdf/pamphlet.pdf

環境省が作成したパンフレット

 

このように単に水中に潜ったから水滴が流れる、という文脈ではなく、なぜカメラ越しなのか、という必然性があるデザインになっています。

 

ペンギンを撮影する目的だけであれば不要な水滴ですが、世界観のこだわりや、それに関連して没入感を高める姿勢が素晴らしいな、と感じました。

「ペンギンの島」ついにクリックしないクリッカーゲーの登場

こんにちは、ちょこです。

 

「ペンギンの島」が話題になっていたのでプレイしてみました。

 

ジャンル的にはクリッカー系です。

女性向けのビジュアルデザインでライト層向けに機能を絞っているように見えました。

 

というのも中央のボタンを押すだけで良いんですよね

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▲遠目でもどこを押したら良いのか明確

 

 

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▲念のため。このボタンを押すです

 

ただ、このボタンを押すのが攻略面で最適解、というわけではありません。

数字を伸ばそうと思ったらレベルアップさせる施設を都度選ぶ方が効率的です。

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▲任意の施設をレベルアップさせる方が効率的

 

今までのクリッカー系のゲームはこのようなUIになっていることが多いです。
リストで並んでいる中から任意の一つを選ぶ感じ。

クリッカーなので、とにかくタップするのが気持ち良いというデザインになっているからボタンを押すことはさほど気にならなかったんですよね。

 

とはいえ、数字がたくさんあって難しそうに見えたり、オシャレには見えないので、そういう意味でこの「オススメボタン」を実装したのかも。

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▲オススメボタンを押すだけで色んな施設がレベルアップできる

 

オススメボタンを押すことは、ゲームを進める上での費用対効果という面では最適解ではありません。

しかし数字がたくさんあって複雑そうに見えていたのが情報を整理したことによってとてもスッキリして見えます。

 

同じくクリッカー系の「my oasis」ですが、比較してみるとスタイリッシュなデザインを損なっているようにも見えます。

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▲オシャレだけど情報が多くて難しそう

 

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クリッカーゲーにおいては数字を見るのが楽しい、というのが通例ですが、逆説のUXを持ってくるゲームが出たのは興味深いな、と思いました。