ゲームアプリのUIデザイン

プレイしたゲームアプリのUIデザインに関して書き残します。毎日頑張って更新!

「ゼノンザード」どっちにスクロールして見える?色んな人にそう思った理由を聞いてみたい

こんにちは、ちょこです。

 

「ゼノンザード」をプレイしていて気になったので問題にしてみました。

 

問題:1

問題です。制限時間は0秒です。0秒で判断してください。

以下はカードコレクション画面ですが、どのようにスクロールするでしょうか?

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見えましたかね。
人の脳は瞬間的に判断するので実はこれくらいでも十分だったりします。

その上で「答えを確かめるため」に操作を試みます。

 

 

問題:2

では、こちらのデッキ編集画面ではどのようにスクロールするのでしょうか?

画面下部にカードが並ぶのでその点にご注目ください。こちらも瞬間的に判断してみてください。

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解答

はい、ではそれぞれ実装はどうなっているか答え合わせです。

 

まず最初にカードコレクション画面の実装ですが…
正解は左右です!

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正解しましたか?

 

続いてデッキ編成画面の実装は…

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こちらも左右スクロールで実装されています。

よく見ると画面下部にスクロールバーがあるのに気付くかと思います。

 

いかがでしたでしょうか?どちらも正解しましたか?

 

 

以下はどちらか不正解だった方への補足、またなぜ判断が分かれたのかを考察してみました。

 

なぜスクロールする方向を誤解したのか

スクロールバーがあるにも関わらず、なぜスクロールする方向を誤解してしまったのか。

単純にスクロールバーに気付かない、ということもありますが、スクロールバーに気付かなくてもスクロールしそうな方向を予測することは出来たと思います。

では何を理由にスクロールする方向を予測したのか?

その理由は「画面の形状」だと考えます。

 

 「画面の形状」

「画面の形状」とは何を指しているのか説明します。

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デッキ編成画面でカードが並んでいる領域はこのようになっています。

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横長ですね。

この状態では上下より左右に情報が更新された方が画面の変化量が少なく、負担がかかりません。したがって、直感的に左右に情報が更新されることを予測し、望んでいます。

 

カードコレクションはこの通り縦長です。

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縦に情報が更新された方が変化量が少なく済むので脳がそのように予測するのだと推測します。

 

ただ、iPhoneユーザーの方は分かるかと思うのですが、ホーム画面は左右にスワイプしてメニューを切り替えますよね…。

 

違うじゃん。

矛盾してるやん。

 

はい、ごもっともです。

矛盾するように感じるのですが、どうやらページャーといったUIの場合はその限りではなさそうです。

 

縦に長くともページャーがある場合は、ページを送る処理を優先して判断するようです。

 

ですが、ソシャゲに慣れているユーザーの場合はこの画面にページャーがあることを瞬間的に認識できておらず、上下にスクロールできるものだと判断しがちです。

ページャーが実装されているにも関わらず、ゲームとしての暗黙知、マインドモデルが働いたため、上下にスクロールするものだと認識したのかな、と推測します。

 

じゃあどうしたら良いのか?

じゃあどうしたら良いのか?って話ですよね。

縦画面で作ってるんだから縦に長くなるのは当然じゃん!

って思います。

 

ただ、これに関してはもう少しだけ足搔ける部分があります。

 

それは表示開始演出です。

 

つまり画面に遷移してきた際、左から右にスライドインしつつ表示をすれば、このカードは左右に動くのだな、と印象付けすることができます。

 

そうすることによって、若干ではありますが、ユーザーの意識をコントロールすることが出来るのではないかな、と思います。

 

まとめ

まとめです。

誤認識した理由は「画面の形状」と推測しましたが、他にも「視線の流れ」「近接の法則」なども関係しているかもしれません。

 

ぜひ、デザイナーでもデザイナーでない方にも「どっちにスクロールするように見える?」「どうしてそう思ったの?」と聞いてみると何か分かるかもしれません。

 

ちなみにこれは「UIデザインの教科書(新版)」にも書いてあることなので、未読の方は手に取ってみることをオススメします。

 

 

「ゼノンザード」ミッションリストがタブではなくチェックボックス形式。面白いデザインだけどバッドUIでもあった…

こんにちは、ちょこです。

 

「ゼノンザード」のミッションリストが珍しかったので紹介します。

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とくに珍しくないと思うかもしれませんが、一見タブに見えるデザインなのに実はチェックボックスの挙動になっています。

 

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こんな感じで複数の項目が選択可能です。
(ただし、最低一つの項目は選択しなければならない状態になります)

 

確かにミッションは複数のカテゴリに分類することが可能なので、アイディアとしては面白いかも…ただ、惜しいところがありまして…

 

プレゼント画面や…

 

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フレンド管理画面ではタブの挙動なんですよね…。

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つまりUIパーツの挙動の一貫性が担保されていないのでバッドUIでもあったりします。

流石にバッドUIとトレードオフしても良い、という判断になってくるとユーザーの都合ではなく、開発者側のエゴが透けて見えるので良くないです。

 

他の場面で見た目がチェックボックスで挙動がラジオボタンになっている実装もあったので、基本的なUIのルールにはあまり気を配っていないのかな…。

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「ゼノンザード」見た目がチェックボックスで挙動がラジオボタンというアンチパターン 。メンタルモデルが機能せずストレスに感じるので気を付けたい - アプリゲームUIデザイン

 

思考停止にならず挑戦的なUIは大好きなのですが、最低限の秩序も担保した上で実装する必要もあるのかな、と思いました。

今回の場合ですと例えば…

・タブとデザインを分ける
・タブではなくチェックボックスと分かるようなデザインにする

などといった方法もあったのかもしれません。

実装する際は開発者目線もほどほどに、ユーザー目線を忘れないように注意したいなと思いました。

「ゼノンザード」この導線が便利編!カードパック一覧画面からの購入画面に遷移

こんにちは、ちょこです。

 

「ゼノンザード」のカードパックチケットからカードパック購入画面への導線が便利だな、と感じました。

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▲カードパックチケットのリストから各カードパックの購入画面に遷移します

 

最近のソシャゲですと、カードパック…いわゆるガチャの種類はそんなに多くありません。

しかし、ゼノンザードのようなデジタルカードゲームの場合は逆にガチャの種類を増やす運用になります。

 

結果、たくさんの種類のカードパックの中から目的のカードパックを選ぶことになり、とても煩雑です。

 

その煩雑さの対処として、カードパックチケットのリストが用意されています。

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▲このリストから目的のカードパックがチケットで購入できるか、すぐに判断できる

 

導線はショップのトップに用意されています。 

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その中の「所持パックチケット」のボタンから遷移できます。

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一覧で並ぶリストと導線があると手数が省略出来たり、時間が省略出来たりするので非常に便利な導線だな、と感じました。

最低限必要な導線と異なり便利な機能の導線に関しては多岐に渡るので注意が必要になります。便利な機能って言われて初めて気づくことが多いというか、簡単には気付けないところがあるので、常に不便に感じる意識を持ちつつ、便利な機能を見落とさないように注意深くプレイする必要があるな、と思いました。

「ゼノンザード」バトル中のオプションが細かいので紹介してみますね

こんにちは、ちょこです。

 

ゼノンザードですが、バトル中の操作に対する確認オプションが多いのが特徴です。

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この手のターン制バトルで一番ストレスがかかるのは誤操作による失敗、敗北です。

これをやったら結構な確率でアプリに対してネガティブな印象を持ちます。

 

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誤操作した俺が悪い、気をつけよう!ではなく

「誤操作させるようなクソUIが悪い!」と、いう印象を持ちます。

 

そうならないように、開発者は最大限配慮し、防止に努めることが求められます。

例えばゼノンザードの場合、バトル中のオプションは以下のようなものがあります。

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  • バトルテンポ
  • カード効果の表示
  • フォース効果の表示
  • バディAIセリフの表示
  • 移動の確認
  • アタック指定の確認
  • ブロック指定の確認
  • フラッシュタイミングの自動スキップ
  • ブロックタイミングの自動スキップ
  • ベース拡大表示

 

…と、こんな感じでした。多いね。

ざっくり分類すると以下のようになりますね。

▼表示系

  • カード効果の表示
  • フォース効果の表示
  • バディAIセリフの表示

これらは画面の情報量を制御しているのかな。
フォース効果はともかく、カード効果に関しては、変更や更新があることが珍しくないのでなるべく表示切らない方が良い気はしてる。

 

▼確認系

  • 移動の確認
  • アタック指定の確認
  • ブロック指定の確認

ランクマッチではまず切らないけど、戦績に影響なかったりリアルでやる場合はテンポ重視で切ることがあるかも。これ切れるのは上級者だと思います。

 

▼手数省略

  • フラッシュタイミングの自動スキップ
  • ブロックタイミングの自動スキップ

不要な確認をスキップする系のオプションです。
慣れてきたらスキップ推奨で。

 

▼その他

  • ベース拡大表示

 

以上です。
バトルの演出のテンポは非常に重要で、主に…

  • 手順の確認
  • 演出の有無
  • 演出の尺

などに左右されがちです。

どうしても避けられない演出に関しては「演出同士を被せて進行を早くする」「心地よいアニメーションを実装する」などが有効かもしれません。

優先度に関しては同じジャンルの他のタイトルとか見てみたいと思います。