こんにちは!ちょこです!
このブログでは「ゲームUIを見てみよう!」というテーマでゲームUIを紹介しています。少しでもゲームUIに興味を持ってくれる方が増えると嬉しいです!
今回は「この悪い子猫ちゃんめ!」、通称「わるこね」におけるキャラクターを魅力的に見せるガチャ演出の事例をご紹介します。
このデザインにより、以下の特徴があるように感じました。
- キャラクターの魅力を十分に伝えようとしている、とにかくエモい(主観的満足度狙い)
- 獲得した商品に対して十分なリターンを与えようとしている(返報性の原理?)
該当の画面はこちらです。
ガチャ演出のストーリーとしてはライブで着る衣装をゲットする、という流れのようです。まずはキャラクターとライブ会場が映し出され、ユーザーに対して状況説明がなされます。
©2021 xeen Inc.
続いて場面は所謂異空間に切り替わります。
ここは獲得したアイテムが最大で5つ表示されます。
5秒間の間に獲得したアイテムをタップすることで、キャラクターが衣装を身に着けます。
©2021 xeen Inc.
衣装を身に着ける時の演出はこんな感じです。
身に着けるパーツにカメラがフォーカスし、ポーズを決めます。
©2021 xeen Inc.
獲得したアイテムをすべて見せたらライブ会場に戻り、最後はポーズを決めます。
©2021 xeen Inc.
ライブは成功で終わり、キャラクターたちはお別れに手を振ってくれています。
また、獲得したアイテムがサムネイルで一覧表示されています。
©2021 xeen Inc.
流れで見るとこんな感じです。長いので前後編に分けます。
まずは前半です。ライブ開始演出から、アイテムを獲得演出、そして後半に行く前に小休止の演出が入ります。
©2021 xeen Inc.
続いて後半です。
引き続き獲得した衣装でコーデを整えていきます。
最後はライブ会場に戻り、キャラクターに見送られながら獲得したアイテムが確認できます。
©2021 xeen Inc.
キャラクターの魅力を十分に伝えようとしている、とにかくエモい
演出を見た限り、情報の優先度としては獲得したアイテムより、キャラクターのビジュアルを優先しているように見えます。
©2021 xeen Inc.
情報の優先度が高いと感じた理由は主に以下の3点です。
- 表示面積がアイテムよりもキャラクターの方が大きい
- 動きがあるため視線が誘導される
- しばしば目が合うため、視線が誘導される
一応、アイテムの方が画面手前に表示されているため情報の優先度が高い、とも考えられますが、直感的にキャラクターに視線が誘導される方が強く、優先度もキャラクターの方が高いと感じました。
獲得したアイテムよりもキャラクターの演出を優先させることで、排出されたレアリティが低かったり、期待したものが手に入らなかったとしても、演出を見ることで楽しい気持ちになる、と言う心理がはたらくと感じました。
キャラクターの持つ魅力を利用した演出であり、ユーザーの主観的満足度に作用するように感じました。
キャラクターを利用した演出で特に注目したいのは以下の2点です。
- アイテムをユーザーの操作で着せ替え出来る点
- 排出が終わった後も演出が続く点
アイテムをユーザーの操作で着せ替え出来る点
獲得アイテムを見せる、という視点で考えればタップさせずに自動で着せ替えさせる方が手間が無く合理的ではあります。
しかし、タップさせることでただ眺める演出ではなく、ユーザーがキャラクターに関与する演出になっています。
単に操作可能ということではなく、キャラクターに対して関与することができることがある、というのが主観的満足度を高める要素に繋がっているのではないか、と感じました。
©2021 xeen Inc.
排出が終わった後も演出が続く点
もうひとつ注目したい点は排出が終わった後も演出が続く点です。
ガチャはアイテムを獲得するための機能、という思い込みを見事に覆されました。
©2021 xeen Inc.
ガチャ演出が凝っているソシャゲも多いため、ある意味では「ガチャ演出を楽しむ」という視点も考えられるのかもしれません。
特にキャラクターが手を振ってくれるガチャ結果画面は初めて見たかもしれません。
この画面は機能面だけで見ると獲得したアイテムを確認するための画面ですが、
キャラクターが手を振ってくれることで、キャラクターがライブ終わりに見送ってくれる、というストーリーが取り入れられています。
©2021 xeen Inc.
先ほどキャラクターに対して衣装を着せ替えたことは、プレイヤーからのコミュニケーションですが、手を振ってくれることはキャラクターからのコミュニケーションです。
双方からのコミュニケーションが成立することで、ユーザーの主観的満足度がより高められているように感じました。
獲得した商品に対して十分なリターンを与えようとしている
演出が60秒程度あり、見た感じスキップもできない(?)ため、テンポ感が悪いと考える人もいるかもしれません。実際、この演出の長さで何度も回すとテンポの悪さがストレスとして表れる懸念は考えられます。
ただ、「わるこね」の場合は獲得した商品よりも、演出を見せることを重視している気配を感じます。
したがって、商品を購入したユーザーに対して、演出をしっかりと見せることをリターンとしているのかもしれません。
ガチャは確率で排出され、期待通りのものが確実に手に入るわけではありません。
しかし、演出は確実に与えられるリターンであるため、少しでもユーザーを楽しい気持ちにさせるために、このような長い凝った演出を採用したのかもしれません。
ユーザーも期待以上の演出が見られると、コンテンツに対して返報性の原理のようなものがはたらき、例え期待したアイテムが手に入らなかったとしてもストレスが軽減される、あるいはゲームに対して好印象を持つのかもしれません。
動画はTwitterに投稿しました。
BGMを聴きながらだと更に印象が変わるかと思います。良かったら確認してみてください。
ガチャ演出の動画はこんな感じです。ブログでは触れられなかったんですが、ボイス付きの楽曲がBGMとして流れています。 #わるこね #ガチャ演出 pic.twitter.com/jsP8lIuENL
— ちょこきなこ@ブログ「ゲームアプリのUIデザイン」 (@UI42796360) 2022年6月15日
まとめ
短いですが、まとめると「この悪い子猫ちゃんめ!」のキャラクターを魅力的に見せるガチャ演出の事例について感じたことは以下の2点です。
- キャラクターの魅力を十分に伝えようとしている、とにかくエモい(主観的満足度狙い)
- 獲得した商品に対して十分なリターンを与えようとしている(返報性の原理?)
他にも気付いた点があれば、コメント欄にて教えていただけると嬉しいです。
以上です。
ガチャ演出をデザインする際の参考になれば幸いです。
このブログではこのようにゲームUIついて簡単にまとめて紹介しています。
他のゲームUIも紹介しているので、もし良かったら他の記事も見て行っていただけると嬉しいです。
権利者さまへ
以下はコンテンツ利用に関する認識の説明です。
「この悪い子猫ちゃんめ!」のガイドラインを確認したところ、権利者の株式会社ジーンの公式HPにて、SNSやwebサイトへのゲーム画像の投稿は許諾されている旨の記載がありました。
コンテンツ利用ガイドライン | この悪い子猫ちゃんめ!(わるこね)
主な参照箇所を抜粋します。
素材の使用について
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