こんにちは!ちょこです!
今回は「パニシング:グレイレイヴン」のアドベンチャーパートのデザインについて紹介します!
「パニシング:グレイレイヴン」のアドベンチャーパートでは選択肢が右側に表示されます。
アドベンチャーパートの役割は文字を読ませることです。
そのため今回は「文字を読む」というタスクで評価した際のメリットとデメリットをまとめてみました。
アドベンチャーパートのデザインをする方の参考になれば幸いです。
該当の画面はこちらです!
このようにキャラクターが画面の中央、選択肢が画面の右端に表示されています。
では、目次です!
3つのメリット
まずはメリットからあげさせていただきます。
メリットは以下の3点かなと思います。
- 選択肢の情報がキャラクターの顔に被らない
- 選択肢が右手で押しやすい
- アニメーションがあることによって視線の誘導が出来ている
それでは個別に説明します。
1:選択肢の情報がキャラクターの顔に被らない
1つめのメリットは、選択肢が画面の右端にあることによって、選択肢とキャラクターの顔が被らないデザインになっている点です。
そのため、キャラクターを魅力的に見せたい!というデザインとは相性が良いように感じました。
ソシャゲではキャラクターを強く訴求するゲームが珍しくありません。
キャラクターに表情差分などがあるのも、キャラクターを魅力的に表現したいためだと考えられます。
ですので、キャラクターの表情を見たいユーザーにとっては、選択肢がキャラクターの表情と被ってしまうことで没入感が阻害されてしまいます。
キャラクターの顔と選択肢の情報を被らないデザインにすることによって、ユーザーの没入感を妨げないように工夫されているように感じます。
2:選択肢が右手で押しやすい
2つめのメリットは、右側にボタンがあるため右手で選択肢を選びやすい点です。
端末のサイズは時代とともに大きくなる傾向が見られます。
選択肢が画面中央にあると、手が小さかったり、指の短い人の場合、届きにくく感じる可能性があります。
画面端に選択肢ボタンを配置することによって、手が小さかったり、指が短い人でも押しやすい配置になっています。
端末は大きくなっても人の手のサイズは変わりません。
今まで良かったデザインであっても、時代と共に評価が変わることもあるので、見直しも必要なことがあるように感じます。
3:アニメーションがあることによって視線の誘導が出来ている
3つめのメリットは、画面右端からスライドインするアニメーションがあることで、視線の誘導が出来ている点です。
選択肢のUIはアドベンチャーパート中の画面上で大きく動くパーツです。
アニメーションすることによって、視線誘導の効果が得られるデザインになっています。
視線誘導の効果があるため、ユーザーは自然と選択肢に注意が向くデザインになっています。
以上が選択肢が画面の右端に表示されているデザインのメリットです。
3つのデメリット
続いてデメリットをあげさせていただきます。
デメリットは以下の3点です。
以上がデメリットだと考えました。
それではそれぞれの説明をしていきます。
1:不定期に両手を使わせるデザインになっている
1つ目のデメリットは、基本的には片手で操作できる画面ではあるが不定期に両手を使わせるデザインになっている点です。
横画面のゲームは両手を使うことが多いデザインです。
そのため、ユーザーは基本的には両手で端末を持っている時間が多いと想定されます。
しかし、アドベンチャーパートに限っていえば片手で操作する画面をデザインすることは可能です。
「パニシング:グレイレイヴン」の場合、選択肢が不定期に画面右端に表示されることにより、両手で操作せざるを得ないデザインになってしまっています。
選択肢が表示されるタイミングはユーザーは事前に察知することはできません。
そのため、片手での操作で済ませることができる画面であるものの、両手で操作することを強いるデザインになってしまっている点がデメリットであると考えました。
2:右手が使えず、左手だけで操作しているユーザーにとっては不便に感じる
2つ目のデメリットは、左手だけで操作しているユーザーにとっては操作しづらく感じる点です。
ユーザーによっては右手が使えない、あるいは使いづらいケースも想定されます。
右手を怪我をしているだけではなく、右手で何かを持っているケースも考えられます。
そのため、ユーザーが対応できる可能性を増やすという意味で、片手での操作で済ませることが出来る場面においては、片手で操作できるデザインにする方が良いと考えました。
片手で操作可能、というのは右手でも左手でもどちらでも操作できる、という考えです。
他のゲームではアドベンチャーパートは片手で操作できるデザインになっているものも多いです。それらのゲームと比較した場合、ストレスに感じてしまう可能性があるように考えました。
3:視線が画面中央から散るため、視野狭窄のユーザーにとってはストレスに感じる
3つめのデメリットは、視線が画面中央から散るため、視野狭窄のユーザーにとってはストレスに感じる可能性がある点です。
視野狭窄とは以下のことを指します。
大きく分けて「半盲」「狭窄」「暗点」の3種頚に分けられます。
視野の広さが狭くなる「狭窄」、視野の右半分や左半分が見えない状態の「半盲」、視野の中に見えない部分がある状態を「暗点」といい、大きく分けて3種頚に分けられます。
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しばしば「トイレットペーパーの芯を覗いている状態に近い」とも表現されます。
視野狭窄が進行すると、中心のわずかな部分を残して周辺はまったく見えなくなります。(トイレットペーパーの芯を目に当てて覗くとこれに近い状態となり、疑似体験ができます)
アドベンチャーパートではキャラクターの表情やセリフといった情報は画面の中央に集まっています。
演出によって画面に表示されるキャラクターが2~3人に増える場合もありますが、テキストさえ追っていればストーリーは理解できます。
しかし「パニシング:グレイレイヴン」のように、画面の右側に選択肢が表示されると、視野狭窄のあるユーザーにとっては視線誘導のアニメーションが十分に機能せず、情報に気付きづらくなってしまう可能性があります。
また、常に画面全体の変化を気にするストレスも与えてしまうと考えます。
以上です。
「パニシング:グレイレイヴン」のアドベンチャーパートを通じて、デザインのメリットとデメリットを述べさせていただきました。
今回のデメリットはマイノリティー側の視点が強くなってしまったかもしれません。
すべてのユーザーが満足するUIをデザインすることは難しいことかと思います。
ですので、何を優先とするかは各現場によって様々かなと思います。
今回の記事で少しでもアドベンチャーパートのデザインを検討する方の参考になれば幸いです。