ゲームアプリのUIデザイン

プレイしたゲームアプリのUIデザインに関して書き残します。毎日頑張って更新!

「パニシング:グレイレイヴン」単純接触効果を利用したデザイン事例

こんにちは!ちょこです!

 

今回は「パニシング:グレイレイヴン」から、ショップ画面でアイテムが無料で購入できる機能を紹介します!

主に「無料で購入できる」ことと「無料で配布する」ことの違いに注目して書いてみます。

サービスの売り上げに対して何かしらのアプローチを検討している方の参考になれば幸いです。

 

さて、該当の画面はこちらです。

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左上にある商品が無料です

良いですよね。無料!

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こちらの商品は週に1つ無料で購入できる商品です。 

 

なぜショップで配布するのか?

「ショップでアイテムを無料で配布するならログインボーナスと同じではないのか?」

「ミッションなどで受け取れた方が手数が少なくて済むのではないか?」

と思うかもしれません。

 

確かにアイテムを受け取る行為だけ見ると、ログインボーナスやミッション達成で受け取る方が、手数が少なく済むためユーザーにとっては便利です。

そのため、アイテムを配布することではなくショップ画面に遷移することが目的であると考えられます。

 

 

「単純接触効果」に繋げたい意図を感じる

では、なぜショップ画面に遷移することを目的とするのかについてですが、

ショップ画面を頻繁に表示することで「単純接触効果」に繋がっているのだと推測します。

 

単純接触効果の説明は以下の通りです。

無意識であっても繰り返し接すると好意度や印象が高まる心理傾向

単純接触効果(ザイアンスの効果) | UX TIMES

▲参考資料

 

この効果により「パニシング:グレイレイヴン」では以下の効果を期待しているのかな、と推測します。

  • ショップ画面に遷移することへの抵抗感を無くす
  • 商品の購入ボタンを押すことへの抵抗感を無くす

 

一般的に押したことのないボタンを押すのは心理的に抵抗感が生まれます。
押したことが無いため、挙動の結果がわからないためです。

ましてや金銭を支払う場面では特に慎重になります。

 

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▲お金を支払う場面ではボタンを押すことに慎重になる

 

ボタンを押した結果、良いことが起きれば安心するし、悪い結果が起きれば以降は注意深くなります。

そこで「無料」のボタンを設置して、ユーザーにメリットがあるように認識させています。

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▲「無料」だと心理的に抵抗感が低くなり押しやすくなる

 

そして実際に無料の購入ボタンを押した結果、アイテムが獲得できます。
これによってユーザーは「このボタンを押すと良い事がある」と学習します。

 

ショップ画面だと違和感を覚える方がいるかもしれませんが、ガチャ画面では1日1回無料ガチャなどで報酬が受け取れる施策は比較的頻繁に見かけます。

なので、単純接触効果を期待した施策はソシャゲでは実はよく使われています

 

 

ビジネスである以上、企業利益も大切

今回紹介した「パニシング:グレイレイヴン」のように、中国系のソシャゲは訴求に対する熱量が日本と比較して高い様子がうかがえます。

この辺りのUIデザインの目的としてはユーザーの利益というよりは、企業側の利益の追求が重視されていると感じます。

 

UIは通常、企業利益よりもユーザーの利益を追求する思想で構成されますがUIをビジネスとして用いる際、企業利益は無視できません。

ユーザーを優先しつつ、企業の利益も大切にするバランスは難しいと感じるかもしれません。両方の価値観を肯定し、その上で良いサービスが作れることが求められます。

 

 

ショップ画面に無料の商品を置くことで、企業の利益になるかもしれません。
UIを工夫して売り上げに貢献したいと考える方の参考になれば幸いです。

 

 

同じような機能は「機動戦隊アイアンサーガ」でも見られました。 
紹介している内容的にはほぼ同じです。レイアウトやデザインの参考までに。

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「機動戦隊アイアンサーガ」ショップに無料の商品を置くのは単純接触効果を狙ったもの? - ゲームアプリのUIデザイン