ゲームアプリのUIデザイン

プレイしたゲームアプリのUIデザインに関して書き残します。毎日頑張って更新!

「最果てのバベル」バトル画面のUIがアップデートして良くなったところ。まだ残っている課題をまとめました。

こんにちは、「アプリゲームUIデザイン」のちょこきなこです。


今回はバトル画面に関して書いてみます。

ここでもやはり「ユーザーにやらせたいことが分からない」という点が気になりました。
 

 

バトルに仕様変更はいりました!

リリース直後は、
オートモード中に画面をタップするとオートモードが解除され、等速に切り替わる仕様」でした。

その後、この仕様は不具合というアナウンスがなされました。

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不具合じゃなくて仕様だと思うんだけどな…と思っていたら
後日仕様変更のアナウンスになり、以下の仕様に変更になりました。

 

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オートモード中に画面をタップするとオートモードが解除され、等速に切り替わる仕様」から

オートボタンをタップするとオートモードが解除され、等速に切り替わる仕様」

に変更になりました。

 

これは単純に良くなったかなと思います。
リリース当初の仕様だと、
・オートモードにしたら迂闊に画面をタップできないストレス。
・タップすると等速のバトルになるので時短にならずストレス。
・具体的な場面としては、攻撃開始ボタンをうっかり連打したら、さっきまでオートになっていたのに、戦闘演出が再生されたら等速になっているのでストレス。

となっており、なぜこの仕様になっていたのか疑問でした。

何かチャレンジ的な仕様だとは思いますが、うまく機能しなかった印象。

それでもバトルにはまだ難題が残っています… 

 

 

 

誤操作することがある

 

ボス戦でしばしば誤操作する場面がありました。

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具体的にどういった場面での誤操作かというと、

オートモードを解除せずに攻撃を開始してしまう場面です。

 

ヒューマンエラーといえばそれでお終いなのですが、なぜ誤タップをしがちなのか理由を考えてみます。
(気を付けているので今は誤タップの頻度は下がっています)

 

理由を考えてみると、

・普段の雑魚戦はモード切り替えを触らないので、意識から抜けがち
・コマンドを選択する方に意識が集中しているので、選択し終わったらいつもの癖で戦闘開始を押してしまいがち

 

です。

普段の雑魚戦はオートで戦闘するのですが、ボス戦の場合は基本的にはスキルを使うなど、きちんと立ち回らないと勝てません。

 


▼こんな感じでオートモードを解除しておかないとダメ
最果てのバベル オートボタン

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なので、マニュアル操作をする必要があるのですが、その際にオートモードを解除せずに戦闘開始する事が多いです…。

 

いつもと違うルーチンなので、うっかり忘れてしまいます。
ボス戦のような高難度の敵でこうなりやすいので、一手操作を誤ると致命傷になります。

 

 

ユーザーに何をさせたいのか

 

アドベンチャーパートでも同じ視点での話をしましたが、ここでも「ユーザーに何をさせたいのか」という視点が抜けているように感じました。

 

ユーザーにコマンド入力をさせたい難易度にするのであれば、デフォルトでオート入力を禁止させてしまえば済みます。

例えば先日の「七つの大罪 ~光と闇の交戦(グランドクロス)」はそうなっています。
ただし難易度に関しては各々の育成具合によるので、難しいと感じる程度の差はあります。
あくまでここでは「ユーザーに何をさせたいのか、という開発の意思をUIにどう反映させているか」という話です。

 

 

ボス戦でオート入力させたい場面としては…

・勝利が確定した際にタップする手間を省く
・ボスに勝てないと判断し、オートモードにして戦闘を流す(リタイアができないので)
・キャラがボスより圧倒的に育っている
 

 

の順番で想定できます。

 

また、オートで戦うデメリットとしては…、

・トドメを刺した感じがなくなる

です。 

 

個人的には、ボスのような特別なバトルではこのデメリットはかなり大きいと感じています。

トドメを刺さないと、プレイヤーが倒した、ではなく、ボスが勝手にやられた、というUXに変わります。

 

ボスによって苦戦する程度の差はありますが、基本的には専用の演出が入り、音楽も普段と変わります。

 

 

 

改めて「ユーザーにやらせたいことって何だろう」と、考えてみます。

 

ボス戦における、ユーザーにやらせたいことを仮に「感動」とします。

感動をさせたい
⇒ボスを倒すことによる達成感を与えたい
⇒苦戦を乗り越えると、より達成感を感じられる
⇒苦戦とは難易度が高いことを指す
⇒難易度が高いとマニュアル操作しないと勝てない

という理屈です。

 

次にその思想(UX)に対して実装(UI)がどうなっているかを見てみます。

⇒マニュアル操作しないと勝てない難易度である
⇒マニュアル操作するためには手数がかかる(オート⇒等倍⇒倍速で2手かかる)
⇒手数だけではなく、誤操作するUIデザインになっている

 

という具合です。

実装(UI)は目に見えますが、開発が何をさせたいのか(UX)の部分は目に見えません。

なので実装を通じて、開発の意図を推測するしかないのですが、
最果てのバベルの場合は全体的に開発の意図が見えずらいという特徴があります。

最初にも書きましたが、このボスバトルでユーザーに何をさせたいのかというのが私には分かりませんでした。

 

単に苦戦させたいのであればストレスにしかなりません。
達成感を感じてほしい、だから苦戦させたい

 

という理屈のはずです。

 

 

 

少し長くなりましたが、

・誤タップするのはボタンの配置だけではない
・ユーザーにやらせたいことを忘れたままデザインされている
・なので、問題に気付けていない

 

かな。
ボス戦は単にパラメーターの高い敵と戦うだけではないです。

 

オートモードから倍速にするときの手数に関して

 

上で少し触れましたが、普段オートモードなので、倍速に戻すのに2手かかります。
このステップに関しては不要な手数という気がしています。

 

▼通常はこの状態

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▼一度タップすると等速

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 ▼もう一度タップして倍速

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どうして倍速ボタンとオートボタンを一緒にしたんだろう…?

 

一般的に等速と倍速は頻繁に切り替えません。
また、ほとんどのソシャゲであれば、マニュアルとオートも切り替えません。

 

概ねオートの倍速固定です。

 

七つの大罪もこんな感じで「オート」と「倍速」は分かれています

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将来的に「4倍速」が実装された時もこちらの方が楽です。

 

最果てのバベルの場合、ボスはマニュアル操作になりますし、少し苦戦する雑魚戦の場合でもマニュアル操作に切り替える必要があります。

 

ゆえに、倍速ボタンとオートボタンを一つにまとめる事によって、画面の情報は抑えられたものの、ユーザーの手数を増やすことになってしまっています。

 

ここは判断が分かれそうですが、表示するボタンの数を減らしつつ、開発のやりたいことを満たそうと思ったら

・雑魚戦では今の仕様のまま
・ボス戦だと強制的にマニュアル操作になり、等倍と倍速の切り替えのみとなる

 

とかになりそうです。
特殊なことはなく、ある程度一般的な実装形式だと思います。

 

まとめ

ユーザーにやらせたいことを明確に決めて、その軸で画面や仕様をデザインしないと何をさせる画面か見失いがちになります。