こんにちは!ちょこです!
今回はHCDに関する書籍を紹介します!
オススメのHCD書籍を探している方の参考になれば幸いです。
紹介する書籍はこちらです!
▼「人間中心設計入門 HCDライブラリー 第0巻」
発売されたのは2016/4/1とちょっと古めです。
しかし、HCDはトレンドというものではないので、そう簡単には陳腐化しません。
図も内容も充実しており、HCDを包括的に知るための最初の一冊には丁度良いのではないかな、と感じます。
著者の方も
「この本は「人間中心設計」を初めて学ぶ人のための入門編という位置付けで企画しました。」と書籍内で述べられています。
よかったらぜひ手に取ってみてください!
目次は以下の通りです!
- 1章:こんなことはありませんか?
- 2章:HCDの事例
- 3章:HCD(人間中心設計)
- 4章:ユーザビリティ
- 5章:ユーザーエクスペリエンス
- 6章:デザイン思考
- 7章:HCDのプロセス
- 8章:利用状況の把握
- 9章:要求の明確化
- 10章:デザイン
- 11章:デザインの評価
- 12章:これからのHCD
- 引用文献
- 索引
- 編集者略歴
こんな感じですね。
早速、各章の概要と自分の所感を添えて紹介します。
1章:こんなことはありませんか?
まずは導入エピソードからです。
HCDとはどういったものであるか?
どのようなメリットがあるのか?
どのように取り入れるのか?
など、基本的なことを伝えています。
挨拶文といった感じでしょうか。
2章:HCDの事例
続いてHCDの使い方の紹介です。
架空の導入事例を通じて、HCDをこのような時にこのようにして使う、と紹介をしています。
ソフトウェア、ウェブ、電気自動車、アプリなどを中心に6例ほど紹介されています。
事例を案内することで読者の頭の中により具体的なイメージを作るようにしています。
少し情報量が多いと感じるかもしれません。
その場合は最初は軽く目を通すくらいで読み飛ばしても良いかと思います。一度全体を読み通したらもう一度戻って来て読むと、書いてある内容がなんとなく分かるようになっているはずです。
3章:HCD(人間中心設計)
より具体的にHCDを掘り下げる章になっています。
ここでユーザーという存在も登場します。同時にユニバーサルデザインについても触れられていますが、基本的な原則のみの紹介となっています。
この辺りからやや専門的な内容になってくるように思えます。
4章:ユーザビリティ
ユーザビリティという言葉の意味、あるいは評価軸の話が展開されています。
ニールセンやシャッケルといった著名人の評価軸であったり、ISOの規格といった非常に権威性が高いものが紹介されています。
メジャーな評価軸は網羅されているので、そういった点で読み返すのは良さそうです。
ただ、あくまで精度の高い指針のようなものであって、絶対的な経典とは捉えないようにしたいという意識でいるのが良いかと思います。
5章:ユーザーエクスペリエンス
いわゆるUXの話がされています。
ノーマンやハッセンツァールといった著名な方のUXの見解、UX白書やマーケティング分野におけるUXの定義などが紹介されています。
色んな分野の理念、思想をUXという言葉に乗せて伝えてるので、人によってはUXというものの正体が分からなくなるかもしれません。
少なくとも今の私にとっては難解なテーマであるように感じました。
6章:デザイン思考
デザイン思考の紹介、及びデザイン思考におけるHCDの役割の紹介がされています。
HCDを説明する上でデザイン思考に触れる必然性は特に無いように感じました。
一時期ビジネス界隈でもてはやされたワードなので、商業的な意味で取り上げたのかな、という印象です。
デザイン思考に関心があるようであれば読んでも良いのかな、という感想です。
7章:HCDのプロセス
ウォーターフォールとアジャイル開発の中でのHCDの取り入れ方が説明されています。
この章も少し難しいです。
開発手法とHCDの話を同時にしてるので、ある程度の規模での現場経験が無いと概要を掴むのが難しい気がします。
おそらく多くの方が「UXデザインする」と定義するのはこの辺りではないかと…。
8章:利用状況の把握
HCDのプロセスに必要な調査に関する説明がなされています。
ここで言う利用状況の把握とは、主にユーザーインタビューや観察などを通じて状況の把握をすることを指しています。
解決すべき問題は何であるかを明らかにするための材料を集める行為といった感じでしょうか。
ちなみに、この章を含めここから先の章は問題解決のための一連の流れ、という認識で読むと理解しやすくなるかと思います。
利用状況の把握⇒要求の明確化へ⇒デザイン⇒デザインの評価
というグループでひとつ、という感じです。
9章:要求の明確化
調査で集めた情報をどう扱えば良いのか、という内容が書かれています。
このフェーズで、情報を分析し、解釈し、解決すべき問題の定義付けを行います。
なんだか刑事事件における犯人の特定みたいな気分になりました。
10章:デザイン
前章までにチーム内で解決すべき問題の共通認識が得られたら、それをどのように解決するのが良いのか考える必要があります。
この章では問題解決のための発想法が紹介されています。
ブレインストーミング、マインドマッピングなどを始めとして12種類の発想法が紹介されています。
様々な切り口で解決策を模索することにより選択肢の幅が広がります。
選択肢の母数が多いほど最適な選択肢を選べる可能性が高まります。
11章:デザインの評価
選んだ選択肢の結果をどういった方法で評価し、フィードバックを返すか、と言う内容です。
インスペクション法、チェックリスト、ヒューリスティック法、認知的ウォークスルー、などが分かりやすい評価だと思いました。
どのような評価方法を用いるかは、問題の内容と現場の環境によるところもありそうです。例えば、脳波計を用いるような生理学的な評価方法を採れるのは限られた環境だけになるのかな、と思います。
12章:これからのHCD
締めの言葉です。
内容的には序章で伝えているようなことが書かれています。
以上です。
HCDに興味が湧いたらまずはこの本をオススメします。
…というかHCDの入門書という視点で見たときに、この書籍以上の書籍が出来る気がしません。
章によっては難解な部分もあるかもしれません。
その際は適当に読み飛ばしても良いので、概要を掴むために全体を読み通してみて欲しいです。
特に8章から11章はプロセスが書かれている部分です。
ここの情報量は非常に多いので、章ごとに理解するのではなく最後まで読んでみて流れをつかむだけでも良さそうです。
最初の一冊なので難しい単語につまずくかもしれませんが、細かい理解は後でも良いのかなと思います。私もよく分かっていません。
分からない部分は適切な難易度の書籍で補うなどすれば良いのかな、と考えています。
以上です。
オススメのHCD書籍を探している方の参考になれば幸いです!