こんにちは、ちょこです!
書籍紹介です。今回紹介するのは「直線は最短か?」です。
前半は弁証法を利用した発想法、後半はキャリアの考え方が書かれています。
結論から述べると、弁証法の入門の読み物として分かりやすいものであると感じたものの、ゲームUIデザイナーとして見たときに有効かと考えると、具体的にどういった業務の時に必要になるのかはすぐに思い浮かびませんでした。
ただ、ゲームUIデザイナーならではの問題解決には結びつかないまでも、それ以外の様々な業務や日常生活における問題解決の手助けにはなるのかもしれません。
以下は各章の目次とそれに関する感想を簡単に述べてみます。
詳細はかなり削っているので、興味を持った方は実際に手に取っていただくのが良いかもしれません。
では、早速紹介していきます。
- 第1講:弁証法は最高の「道具」だ
- 第2講:なぜ、今、弁証法なのか?
- 第3講:「アウフヘーベン」を理解しよう
- 第4講:弁証法で世の中を読み解く
- 第5講:人生をぶち抜く高速道路効果
- 第6講:バカこそ寄り道をせよ
- 第7講:反省は役に立たない
- 第8講:自分だけのストーリーを作れ
- 第9講:創造のためにはルールから決める
- 第10講:大きな成果を手にするあと一歩の極意
- 最終講:テクニックは全部捨てろ
第1講:弁証法は最高の「道具」だ
この章では簡単に自己紹介と自身の経験をもとに映画のストーリーを弁証法を紹介しています。
私は今まで弁証法について全くの無知でしたが、ホットドックを例にして「テーゼ」+「アンチテーゼ」⇒「ジンテーゼ」を説明しているのは分かりやすいと感じました。
この先も、このように身近なものを弁証法を通じた解釈を試みています。
弁証法とその活用を知りたいだけであれば、まずはこの章を読むことをお勧めいたします。
第2講:なぜ、今、弁証法なのか?
弁証法の概要と、映画作品や理容室の実例を元に弁証法による解説を試みています。
今は情報ではなく創造性が重視されており、創造性を高めるツールとして弁証法の重要性を説いています。
弁証法を聞いたことが無い人にとっては弁証法の価値が分からないため、まずは実例をもとに利用価値を説き、魅力を伝えようとしているように感じました。
第3講:「アウフヘーベン」を理解しよう
この章ではフリードリヒ・ヘンゲル氏が提唱した弁証法の法則を、例と一緒に紹介されていました。
ちなみにフリードリヒ・ヘンゲル氏が提唱した法則は以下の3点です。
- 質と量の転化
- 対立物の相互浸透
- 否定の否定
弁証法についてよく知りたい方向けの話であるように感じたので、個人的には言葉と意味を理解するのが良いのかな、と感じました。
「3:否定の否定」で黒澤明監督の「生きる」が例として取り上げられてたので、未視聴であったのでレンタルで観ました。
読むだけではなく、体験と結び付けると記憶が定着しやすいように感じます。
第4講:弁証法で世の中を読み解く
人類の技術が発展してきた流れを弁証法から切り込んだ持論が書いていました。
このあたりは筆者の持論であるようなので「こういう考え方もあるんだな」くらいの気持ちで読んでいました。
第5講:人生をぶち抜く高速道路効果
ここでは筆者のキャリアを例に目標到達するための考え方として弁証法を取り上げられていました。個人的には「急がば回れ」と似た言葉であると感じました。
※ちなみに見出しにある「高速道路効果」は筆者の使う言葉であり、一般的に使われている言葉ではないようです。
直線距離だからと言って、道なき道を進むのではなく、舗装された道を征け的な感じだろうか。
第6講:バカこそ寄り道をせよ
これは5講と同様にキャリアに関する話が書かれていました。
弁証法…なのかな…。個人的には「万事塞翁が馬」のエピソードトークにも見えました。
第7講:反省は役に立たない
失敗や挫折をした時、弁証法を利用して対策をする、という考え方の提案をしています。割と短い章ですが、この章も5講から続くキャリアと同じ流れで書かれている印象を受けました。
第8講:自分だけのストーリーを作れ
これもキャリアの話でしょうか。
効率の良い学び方として以下を挙げられていました。
- 小さく始める
- さまざまなものに触れる
- 自分の特性を知る
会社員としてではなくフリーランスとしてどのように生きていくか、あるいは学生から社会に出る時にどのように職業を決めるか、という解釈をして読んでいました。
第9講:創造のためにはルールから決める
創造するためには、既存の殻を破る必要があり、
殻を破るためには殻が必要、というような話が書かれていました。
また、破壊するだけではなく調和も重要ということを示すために弁証法による図解もされています。
弁証法の可能性を広げているとは思うものの、正解から逆算している印象も受けました。弁証法無しでも理解しやすい話かと思います。
第10講:大きな成果を手にするあと一歩の極意
これもキャリアの話ですね。
どのようにして他人との差別化を図っていくと良いのか、という話が書かれています。
ゲームUIを作る上で参考になるような話からかなり離れてきたので、今回は軽く見流す程度にしていました。
最終講:テクニックは全部捨てろ
タイトルの通りのことが書かれています。
いくら方法を学んだところでやらなければ意味がない、というのはその通りだと感じます。
以上です。
もし弁証法の使い方に興味があるようであれば、一度手に取ってみても良いのかもしれません。