ゲームアプリのUIデザイン

プレイしたゲームアプリのUIデザインに関して書き残します。毎日頑張って更新!

座学中心で横断的にタイプグラフィが学べる書籍「デザインを学ぶ3 文字とタイポグラフィ」

こんにちは、ちょこです!

今回、私が購入した書籍の中からゲームUIデザイナーさん向けに紹介する書籍はこちらです!

 

「デザインを学ぶ3 文字とタイポグラフィ

amazonの商品ページのキャプチャです。2017/12/16にこの書籍を購入しています

大まかな構成としては座学が中心で教科書のような書籍です。
書籍の目次としては以下の通りです。

  1. 【第1講】文字の誕生と変遷
    ・日本語・欧文文字の発祥と発展 ・デジタルフォントの登場 ほか
  2. 【第2講】日本語タイポグラフィの基礎
    和文文字の構造 ・日本語文字組みの基本 ほか
  3. 【第3講】欧文タイポグラフィの基礎
    ・欧文文字の基礎知識 ・欧文文字組みの基本 ほか
  4. 【第4講】レイアウトとタイポグラフィ
    ・判型と紙面設計 ・本文のスタイル ほか
  5. 【第5講】ブックデザインと装丁
    ・書籍の判型と紙面設計 ・装丁の設計 ほか
  6. 【第6講】オリジナルロゴの作成
    ・シンボルマークとロゴタイプの制作プロセス ほか

目次を見ると分かる通り、グラフィックデザイン、書籍の文字組、ロゴを想定した範囲で書かれています。
文字を扱うデザイナーであれば役立つことが書かれているのではないかと思います。
ゲームUIだと、訴求画像、ロゴ、画面レイアウトなどで関わることが考えられます。

初版が2013年なので2023年時点で最新ではありませんが、原則や基礎は大きく変わらないものです。読んでいる感じ、基礎を学ぶ上ではそこまで困ることもないと思います。

以下、感想のピックアップです。

 

短時間で全般的に触れられる

文字を中心に扱っていますが内容は比較的軽く浅くだと思います。
144ページで図も豊富です。軽く読めるため入門書としては手に取りやすい部類だと感じました。

というか、文字は歴史が長く人類の歴史に密接に関わっているため、いくらでも深いところに行けます。
ゲームUIデザイナーとしては、文字だけに掛かりきりになるわけにはいかないので、どの程度で留めておくかの判断も必要になってきそう。

 

歴史が書かれている

文字の誕生から活版印刷、デジタル書体など、文字纏わる技術の発展の流れが簡単に紹介されています。フォント系の書籍はデジタル書体を前提として書かれていることがほとんどであるため、活版印刷やそれ以前の情報、例えば徳川家康が活字印刷で出版物を刊行した、という話などはある意味新鮮かもしれません。

アルファベットの話もありますが、全体的にものすごく端折っているため、気になる方は個別に調べてみると面白い発見があるかと思います

 

日本語の組版ルールが学べる

これも本当に軽くですが、基礎的な日本語の組版のルールが紹介されています。
とはいえ、ゲームUIデザイナーの業務範囲に限れば十分な内容だと思います。

カーニングは紹介されているけど、どれくらい詰めるのが良いのか、という事例は紹介されていないため、専門的に学べる余地を残しています。

優先度は状況や人によって様々だと思います。
まずは知るところからはじめ、その程度にはバラつきがある、という感じでしょうか。

 

欧文の組版ルールが学べる

日本語の組版だけではなく、欧文の組版ルールも学べます。
ただし、あくまで基本的な部分までです。こちらについても日本語の組版同様に物足りなく感じたらさらに専門書を当たると良いかなと感じました。

その中でも個人的に面白く感じたのはハイフンを入れられる場所が音節基準という点です。

例えば書籍内では以下の事例が紹介されていました。

  • earty:ハイフンを入れられない
  • freedom:free-dom
  • government:govern-ment か gov-ernment

知らなかった―。

 

フォントのデータについて記載がある

フォントファイルのデータについて基本的な説明がされています。例えば、TrueType、OpenTypeの違い、JISの変遷や変更箇所などはフォントファイルを扱う上で頻出する話です。ものによっては調べ方が分からないケースもあるので、雑誌を除き、このような入門書で書かれているのは稀で有用な気がします。

 

横断的にロゴの話が紹介されている

6章ではロゴの話が紹介されています。
ここで言うところのロゴの定義は比較的広義で、シンボルマーク、西洋の紋章、日本の家紋、そして近代の企業ロゴ、アニメや映画などの幅広い触れられています。

ページ数は多くはありませんし、それぞれに専門書が存在するレベルのジャンルであるため、あくまで触り程度ですが初学者にとってあ横断的に知れるのは良いのではないかな、と感じました。

具体的にデザインするものが決まっている場合は専門書を当たると良さそうです。

 

コラムも面白い

コラムについても少し触れさせていただきます。

「デザインを学ぶ3 文字とタイポグラフィ」では枠外に本文で扱えなかったちょっとした知識が書かれています。

例えば、

  • é:アクサンテギュ
  • à:アクサングレープ
  • ü:ウムラウト/トレマ

などのアクセント記号の名前は初めて知りました。
ゲームUIデザイナーにとって基礎的な情報とは言いづらいかもしれませんが、副次的に情報が得られるのが良いと感じました。

 

軽めの講義もある

疑似的な演習課題も掲載されています。

特定のツールの使い方には一切触れておらず、誰か教える人がいる場合、初学者を対象に2〜3時間くらいで行うボリュームでしょうか。専門書の中では比較的軽めの演習に感じました。

こちらは主目的ではなく、参考になれば…くらいで見ると良いかもしれません。

 

 

以上です。

他の書籍も以下にまとめています。良かったらこちらもご覧ください。

appgameui.hatenablog.com