こんにちは、ちょこです。
「妖怪ウォッチぷにぷに」のメニューに関して学習コストを下げる工夫が仕込まれていたので、気付いた範囲で書いていきます。
妖怪ウォッチのメニュー画面はこんなデザインです。
メニューがストーリーの進行に合わせて増えていく
ストーリーをある程度進める度に、メニュー項目が増えて、できることも増えていくという実装になっています。
最初はこれだけですが…
最終的にこれだけメニューは増えます!
こんな感じで情報量をコントロールし、ユーザーの学習コストを下げる工夫がなされています。
専門用語では「段階的開示」と呼びます。
ユーザーが必要とするタイミングで、必要な情報や要求された情報のみを表示する手法。これにより煩雑な情報を適切に管理することができる。
ゲームのチュートリアルだったり、アクションゲームであればキャラクターの行えるアクションの種類であったり、RPGであれば新しい要素や場所あったり、比較的思い当たる節があるかと思います。
そういった工夫をメニュー項目で行うことによって、ユーザーの学習コストを下げています。
選択できないメニュー項目は表示しない
メニュー項目を非表示にすることで、直感的な画面の複雑さを回避しています。
これと似た実装で、メニューにロックをかけるデザインもあります。
ダンまち~メモリア・フレーゼ~
ジャンプチヒーローズ
ロックをかける実装の特徴は、ロックをかけると同時に解除の条件も伝える事が出来るので、ユーザーのモチベーションに繋がることが可能です。
昔のRPGだと、次のボスを倒せば〇〇が手に入りそうだ、といった情報がNPCから聞けるので、それもある意味ではロック機能のご先祖様に当たりそう。
非表示にするデメリット
メニュー項目を非表示にするデメリットとしては、アンロックされるまで存在に気づけないという点が挙げられます。
昔の据え置きゲームだとクリア後のやりこみ要素とか、裏技といった類のものかな…。
ソシャゲは無料でプレイできるものが多いため、ユーザーもライト層が多いです。
ですので、解除条件があまりにも遠い位置にあると、ユーザーに気付かれずに終わってしまうことが懸念されます。
この辺りはロックと非表示の効果と意図を勘案して実装を考えたいな、と思いました。
関連する妖怪が表示されるので、親近感がわく
しばらく妖怪ウォッチのゲームを触って気づいたのですが、メンタルモデルがソシャゲユーザーではなく妖怪ウォッチユーザーに重きを置いている気がしました。
妖怪ウォッチのメインターゲットは小学生だと思いますが、未就学児の兄弟も取り込もうとしている気がします。
なので、文字が読めなかったり、ゲーム用語が分からない子にとってグラフィックの情報はとても重要です。
(私も小さい頃「セーブ」の意味を知らず、知らないことは難しいことと思い、ずっとセーブ無しで遊んでたゲームがあります…)
他の作品と同じモチーフを使っている
妖怪ウォッチユーザーに重きを置いていると感じたのが、メニューのデザインの共通性です。
ぷにぷにはこのようなデザインです。
ゲラポリズム
いくつか共通したデザインを見ることができるかな、と思います。
まとめるとこんな感じです。
「設定」が非常に分かりやすいですが、共通のモチーフを使っていることが分かりました。
メインターゲットの小学生の気持ちになった場合、耳慣れないソシャゲ用語より、妖怪ウォッチの世界で使われている言葉の方が学習コストも下げられます。
大人の場合でも、難しい言葉より簡単な言葉で書かれた文章の方が内容を理解しやすかったり、読んでみようという気になると思います。
もっと極端な話、母国語で書かれてないと調べてまでその内容を知ろうとは思わないですよね。
つまり、ターゲットの年齢層でも同じことが起きているのだと推測できます。
IPものを扱う時にモチーフとか、世界観とかビジュアル面のことは意識してたけど、用語や言葉の定義まではそんなに意識していなかったかも。
まとめ
妖怪ウォッチぷにぷにの場合、メニューの情報量を絞り、その後も段階的に表示させ学習コストを下げています。
表示する情報にも配慮があり、メニューのアイコンには妖怪も一緒に含まれており、未就学児も含めたターゲットに合わせたデザインになっています。
ソシャゲを運用していくとターゲットの年齢層を始め、あらゆる要素か多様化していくので、ある意味ではターゲットを絞ることによって、強いブランド作りを意識されているのかな、と、思いました。
IPものは画面単体、ゲーム単体だけでなく、IP全体を見ないとデザインの意図が分かりづらい部分もありそうですね。勉強になりました。