ゲームアプリのUIデザイン

プレイしたゲームアプリのUIデザインに関して書き残します。毎日頑張って更新!

UI設計に興味がある人にオススメ!「オブジェクト指向UIデザイン──使いやすいソフトウェアの原理」

こんにちは、ちょこです!

 

2020/6/5に発売された、

オブジェクト指向UIデザイン──使いやすいソフトウェアの原理」
買いました!読みました!感想書きます!紹介します!

▲こちらの書籍です

 

 

こんな方に読んで欲しい! 

UIの中でも設計中心の話なので「グラフィックに興味あります!」という方よりは「設計や広義のデザインに興味あります!」という方にオススメしたいです。

使っている単語や言い回しが独特なので、一見して難解に見えるかもしれません。
しかし、主張自体はシンプルなものなので、理解できそうな部分だけマークしておけば良い気もします。

分からなかったら時間をおいて読み直すくらいの気持ちで!
(ちなみに私は体感で5%も理解できてないです…)

 

書籍の内容について

書籍の内容ですが、全部で6章立てになっています。
内容としては…

  1. はじめに
  2. オブジェクト指向UIについて
  3. オブジェクト指向UIの練習問題
  4. モードレスについて
  5. 参考書籍

という具合に分けられそう。

 

1:はじめに

はじめに「著者の考えるUIとは何か」ということに関して認識を合わせつつ話が進みます。

興味深かったのは、UIとは根本的には道具の一部であるが、昨今では事業者にとってのビジネス効果が評価軸になっていることが懸念されている様子が伺えたことです。

確かにUIの記事を探すと、どういったバナーが押されやすいか、訴求するためにはどういった手法があるか、という視点の記事を見かけることも珍しくありません。

この辺りはもしかしたら創造性と生産性って視点なのかな…。
産業革命後は機械化が進んで、機械に合わせて人が働くことになりました。

確かに生産性は圧倒的に向上したけど、創造性は損なわれたので、そのベクトルで進み続けると人が機械化するというか、人が道具に使われちゃう感じになるのが嫌なのかな…。

 

普段生活していてあまり違和感が感じられないかもですが、それが実際の人間と比較するとどれほど違和感があるものかGoogleも動画にしています。バッドUIやダークUIを擬人化して皮肉った動画です。

www.youtube.com

この動画は見たことがある方も多いかもですね。
お店側(コンピューター)の振る舞いに応じて、お客側(ユーザー)が振る舞いをコントロールしています。

 

コンピューターを使い始めの頃は大なり小なりこんな経験あるんじゃなかろうか…。
退会方法が全然分からないサービスとか、DMを拒否したいけどその方法が全然分からないサービスとか…。

そういう複雑怪奇なUIを作らない為にも、
オブジェクト指向UI(OOUI)は操作効率、学習効率、業務効率、UIの拡張性などの向上につながるよ。ただ、あまり知られてないので設計手法を紹介しますね。

という感じです。

 

2:オブジェクト指向UIについて

次章からはブログに書かれている事柄を引用してオブジェクト指向UIの意義や意味を説明しています。

ソシオメディア | OOUI – オブジェクトベースのUIモデリング

  

現実社会に存在するタスクベースとオブジェクトベースの事例が中心なので、ゲームのUI設計という視点でみると、取り入れられる部分があるのか不安に感じるかもしれません。

具体的には、設定、フレンド管理、図鑑などの簡単なアイテム管理などは簡単にオブジェクト指向が応用できそうだと感じると思います。

ゲームのメインのゲーム部分、クエスト関連、キャラクターの強化を含めた管理、建物や施設と呼ばれるバフ効果のあるリソース管理、それらを包括的に含めた情報管理、などは現実世界のタスクと離れているので難易度が高いと感じてしまうかも。

実際、なんでもオブジェクト指向UIを当てはめれば良いわけではありません。操作に創造性が重視される部分を中心に当てはめると良さそうです。

ただ、それがどこなのかはゲームによるので一概には言えません。

いずれにしろ設計思想のひとつとして学んでおくと、デザイナーの武器、ゲームの可能性になりうると感じました。

 

3:オブジェクト指向UIの練習問題

オブジェクト指向UIの話が終わったら練習問題がいくつかあります。

これはとても良い企画だと感じました。
かなり丁寧に作られていて設計の学習をしたい方はこの辺でよだれ出そう。垂涎。

「文字読むのが苦手で…」という方はぜひ先にここから読んで欲しい。ぜひ!

で…大体どうやったらわからん…ってなると思うので、そうなったら前章を読んで行ったり来たりする感じで読むと良いです。

丁度、説明書読まずにゲーム進めて疲れたら説明書読む感じに近いです。

 

もちろん初手から全問やっても良いですが、全部を一度にやると疲れます。
(疲れない方はもう十分訓練された方だと思います)

そういった場合は最初の数問だけ挑戦して雰囲気だけ掴んだら、次章に進むなりして先に書籍全部を読んでも良いかなと思います。

読み方は自由ですが、個人的には書籍を全体的に見て興味のある所だけ戻って読めば良いと考えています。興味のない部分は読んでも忘れます。
読み飛ばしてもこの後の話が分からなくなる、ということもないです。

「全部読まないと勿体ない気がして…」という方はサンクコストとかコンコルド効果のせいだと思う…。気持ちは分かるのでそれならそれでOKです!

 

4:モードレスについて

オブジェクト指向UIってタイトルに書いてあったので、今回はモードレスの話はないのかなー…と思ってたけどありました。ありましたよー!

この章はオブジェクトの語源やイデア論、構文、GUIの成り立ちなど出てくるので、その部分はゲームアプリのUIには落とし込みづらいかも…。

 

モードレスの採用に関してはゲームはある程度の機能がまとまって詰まっているので、一貫性や統一性の観点からするとこれも簡単ではありません。

…とはいえ簡単ではないだけで、不可能という話ではありません。体感的に徐々にではありますが、没入感を高めるためにモードレスとなっているゲームは着実に増えていっている気配はします。

 

モードレスに関しては「設計を強化したい!」という方には知っておいて欲しい知識ではあります。コンパクトにまとまっているので、ぜひ一度目を通して欲しいです!

 

5:参考文献

最後に参考資料などについてです。
ここでは30冊ほど紹介されていました。内訳は以下のようになっています。

  • デザイン思想…7冊
  • パーソナルコンピュータ思想…4冊
  • UI設計…9冊
  • OOUI…7冊
  • 哲学…3冊

 

書籍の名前だけではなく、分類分け、各書籍に対して簡単な内容紹介をしているのが良かったです。中には入手困難なものもありますが、オススメ書籍を紹介してくれている、という感覚で見ると良いかと思います。
こういった部分も「UIに興味あります!」という方にオススメしたい理由です。

 

さいごに 

デザインにしろ設計にしろ、色々な考え方を柔軟に取り入れられると選択肢も広がり、業務効率も良くなります。

今回の「オブジェクト指向UI」は結果だけ見ると、そのように実装されているケースも多いと思います。

ただ、それが意図したものか、既存のメンタルモデルに倣って実装しているだけで意図してないケースなのか、デザイナー側はきちんと評価できるようになる必要があります。

良し悪しが評価できるようになると、デザインを説明する際に不安がなくなったり、成果も安定すると思います。

 

UIの設計に興味がある、という方は一度ぜひ読んでみてください!

文体は難しく感じるかもですが、主張と手法はシンプルなのでそこは難しくないはず…!

興味あるけど高いなぁ…という方は著者のブログを読むのも良いかと!

ソシオメディア | OOUI – オブジェクトベースのUIモデリング

 

 

次に読んだ書籍は「UX原論」です。結構時間かかりましたが良書です。

appgameui.hatenablog.com

他の書籍も以下にまとめています。

appgameui.hatenablog.com