こんにちは!ちょこです!
「スタースマッシュ」でストーリーの展開がいわゆるアドベンチャーパートではなく、漫画で進行するデザインになっていました。
これについてUIの視点から考えてみたいと思います。
以下が該当の画面です。
このようにストーリーの進行が漫画形式で行われます。
漫画と漫画の間にバトルが行われるデザインです。
これについてUIの視点からのメリット、デメリットを考えてみます。
- 1:タップ数が減らせる
- 2:キャラクターの表情やポーズに制限が無い
- 3:セリフのフォントにも変化を持たせることができるので、文字での感情表現がより強化できる
- 1:後になって修正することが基本的には不可能
まずメリットですが…
- タップ数が減らせる
- キャラクターの表情やポーズに制限が無い
- セリフのフォントにも変化を持たせることができるので、感情表現がより強化できる
といったところでしょうか。それぞれ簡単に補足します。
1:タップ数が減らせる
UIの視点で考えると、手数が少なくなるのは分かりやすいメリットです。
漫画にすることによって、圧倒的にタップ数が減ります。
一般的なアドベンチャーのUIだと吹き出しの数だけタップしなければなりませんが、漫画だとページの数だけで済みます。
これは大きなメリットかな、と思います。
2:キャラクターの表情やポーズに制限が無い
漫画だとコマ毎に表情やポーズを変更することが出来ます。
よくあるアドベンチャーのUIだと、キャラクターの表情差分の中で感情表現をするしかないのですが、漫画だと表現の制限がありません。
ポーズやカメラにも制限はないので、表現したいものの自由度が高まります。
3:セリフのフォントにも変化を持たせることができるので、文字での感情表現がより強化できる
通常、会話文のフォントを変えることはできませんが、漫画は契約上利用できる範囲でなら自由に使用することが出来ます。
中には「ボイスがあるから感情表現は声優さんに任せればいいのでは?」と思うかもしれませんが、確かにフルボイスであれば音声での感情表現が採用できます。
しかし、フルボイスであっても常に音声を出せる環境でプレイできるとは限りません。
どちらが優れているというわけではなく、特徴の違いの話です。
改めて書くと
- タップ数が減らせる
- キャラクターの表情やポーズに制限が無い
- セリフのフォントにも変化を持たせることができるので、感情表現がより強化できる
だと考えます。
一方、デメリットとしては…
- 後になって修正することが基本的には不可能
- ボイスや効果音、色などが無いため、読み手の想像力を超えるような表現が出来ない
- 不定期連載に見えるのでストーリーに興味が失われやすい
こちらもそれぞれ簡単に補足します。
1:後になって修正することが基本的には不可能
一般的な商業漫画であれば、単行本化する際に作画のミスや調整を行うことがあります。しかし、この形式だとそれを行うタイミングが取りづらいです。
バグではないですし、ユーザーから要望があがってくるわけではありません。
誤字や物語を進行する上で重大なミスではない限り、基本的には修正する優先度は低いです。
ちなみに現時点で以下の4か所ほどデザイナー視点で見たときに気になりそうなものがありました。
1:グローブ描き忘れ
ここの部分ですね。
このキャラは両手にグローブ(サポーター?)をして試合を行います。
特に取り外した描写が無いので描き忘れかなと思いました。
2:バッグのベルトが反転してる
1コマ目では右肩から袈裟懸けにしているのですが、次のコマでは左肩から袈裟懸けになっています。
これは視線の誘導を考慮して意図的な表現な気もするのですが、ちょっと判断できかねました。
3:キャラの立ち位置が一瞬で変わっている
ここの部分ですね。
最初のシーンと次のシーンとで、主人公の背後に立っている3名の位置関係が変わっています。
最初のシーンで中央のキャラにセリフを言わせたかったのかもですが、次のシーンで立ち位置を変えているのはちょっと意図が分からず…。
前後のシーンの都合とかなのかな…。
4:ラケットを持つ手が逆&グローブ描き忘れ
このカットですね。スポーツものなので利き手は結構重要な要素です。
右手が利き手だと思って試合をしてたけど、実はサウスポーだった、みたいな時にも使うので、重要な要素だと考えています。
とはいえ、読者に見えないところで左手に持ち替えた、とも考えられます。
また、右手のグローブもなくなってしまっています。
これも次のシーンでは復活しているので描き忘れかなと考えます。
など、いくつか作画上の気になったところがあります。
これについて作者側が「修正したい!」と思っても、
ユーザーは困っておらず、対応の優先度は低くなりがちです。
2:ボイスや効果音、色などが無いため、読み手の想像力を超えるような表現が難しい
漫画には色や音がないため、そういった表現についてはユーザーの想像力の範囲で脳内補間が必要になります。
例えば、このおばあちゃんのセリフの「本当にありがとう」を前後関係を含めてどう表現するかについては読者側の想像力に委ねられます。
個人的にはこのコマが最も作中で重たい感情表現であるように感じました。
少し状況を説明すると…
- このおばあさんはスタースマッシュがプレイできるお店を開いている
- しかし、最近は他の娯楽もあり、お店に来る子供が少なくなってきた
- おばあさんだけの力では解決できそうもなく、今月末で店を閉めるつもりであった
- その話を聞いた主人公は一計を案じ、子供たちを集めることに成功した
- おかげで店は繁盛し、閉めなくても良さそうになった
という状況です。
このおばあさんにとって、店は残りの人生のすべてであったはずです。
それを閉める覚悟を持つということは、残りの人生をどう生きるか、という話に直結します。
一度は店を閉める覚悟を持ったところ、孫ほど年の離れた子供たちに救われました。
そこで言葉にする「ありがとう」の重みや複雑な感情を想像するのは自分には難しいところがあります。
おそらくBGMや声優さんの演技によって、自分の想像以上のものが出来上がるかと思います。
そういった意味で読み手の想像力を超えるような表現が難しいのではないかと考えました。
3:不定期連載に見えるのでストーリーに興味が失われやすい
これについては次回の更新日が示されていないので、更新されるのを気長に待つしかありません。
更新日が不定期であることは通常のシナリオ更新でも言えるのですが、「漫画」と言う媒体を取っている都合上、デメリットになります。
多くのユーザーが普段目にする漫画は週刊連載か月刊連載がほとんどです。
(メイドインアビスとかワンパンマンのようなケースもありますが、比率的には多くありません)
不定期連載の場合、他の漫画の更新頻度に埋もれ、ユーザーがその間に興味を失っている可能性が高いです。
この辺りは今後どのような更新頻度であるか注目する必要があるように感じました。
以上です。改めてデメリットを書くと…
- 後になって修正することが基本的には不可能
- ボイスや効果音、色などが無いため、読み手の想像力を超えるような表現が出来ない
- 不定期連載に見えるのでストーリーに興味が失われやすい
以上の3点かなと思いました。
手数が少なくなる点は良いので、上手くその特性はを活かして新しい表現を模索したいところです。
既存のアドベンチャーパート以外の見せ方の幅として、参考になれば幸いです。